このサイトは、2001年10月30日に開設された「バビルサ基金 バビルサ豆百科」

http://userweb.ejnet.ne.jp/babirusa_foundation/index.html  の後継サイトです。



Distribution 生息分布

インドネシアは、緑に覆われた世界最大の島嶼国. ユーラシア大陸とオーストラリアに挟まれた海域に17,500を超える大小様々な島が散りばめられており、「赤道にかけられたエメラルドの首飾り」と形容されています. ボルネオ島の東隣に位置している、ランの花のシルエットにも似たK字型のスラウェシ島(セレベス島)とその周辺のいくつかの離島だけにバビルサは生息しています。

Sulawesi スラウェシ島とその周辺の離島

現在、バビルサは1属3種に分類されており、それぞれ異なる地域に生息していると考えられています。

Babyrousa babyrussa  モルッカバビルサ(バビルサ,  ヘアリーバビルサ)

Babyrousa celebensis  スラウェシバビルサ(セレベスバビルサ)

Babyrousa togeanensis トギアンバビルサ

Togian Islands トギアン諸島

トギアンバビルサ(Babyrousa togeanensis)の生息が確認されているのは、マレンゲ島、タラタコ島、トギアン島、バトゥダカ島です. 東側のワレアバヒ島、ワレアコディ島では、バビルサの目撃証言がありません. また、北西のウナウナ島でも確認されていません。


Taxonomy 分類

バビルサは、豚やイノシシと同じイノシシ科のメンバーです。上顎の犬歯が発達した牙の特徴を含めて、外観上の特徴と生息地の違いに基づいて、現存するバビルサは3タイプに区別されてきました。1990年代末まで、バビルサは1属1種3亜種として取り扱われてきましたが、頭蓋骨標本を用いた歯を含む主要部位の計測値データの相違に基づいて、2002年に3タイプ全てのバビルサを「亜種のレベル」から「種のレベル」へアップグレードさせる分類案が提唱されました。その後、CITESやIUCN Red Listでも、あらたな1属3種の新分類が採用され、現在に至っています。

「種レベル」へのアップグレードに伴って、バビルサ3種の学名や英名に関して、バビルサに興味関心をお持ちの方々の間で、多少の混乱が生じているようです。世界各地の動物園で展示飼育されているバビルサは、全てスラバヤ動物園での繁殖個体を起源としているスラウェシバビルサです。一部の動物園では、動物の解説パネルにかつての学名(Babyrousa babyrussa)が残されたままで、情報が更新されていないようです。動物園で撮影されたバビルサの写真は、その動物名をスラウェシバビルサ(Babyrousa celebensis)として取り扱いたいものです。また、同様の理由によって、過去の出版物等に記載されているバビルサの旧学名は、新分類での学名への読み替えが必要になる場合があります。